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【3つの対策あり】建築資材の高騰が不動産投資に与える影響

建築資材の価格高騰が続いているけど、不動産投資にどのような影響があるのだろうか。

不動産投資に興味があるけど、今から始めるとどうなるのだろうか?

何か対策はあるのだろうか?

現在、建築資材の価格高騰が続いているなかで、こう考えている人は多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、建築資材が価格高騰した理由と現状がわかります。一級建築士としてマンションの物件に携わった経験があり、都内に3件の不動産を所有している私がわかりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みください。

建築資材が高騰した理由

現在、さまざまな建築資材の価格が高騰しています。主な原因はロシア・ウクライナの国際紛争による物流の停滞です。しかし、それ以前の2021年あたりから建築資材の中で代表的な鋼材や木材の価格高騰はすでに起きていました。

ここでは、それぞれの材料が高騰した原因を解説します。

  • 鋼材の価格高騰
  • 木材の価格高騰

鋼材の価格高騰

中国の不動産や公共事業の拡大に伴う鋼材不足が原因です。

中国から海外への輸出が抑制され、世界中の各国で鋼材の需要が供給を大きく上回り、価格高騰が起きました。特に、日本は鋼材を100%の割合で輸入に依存しています。

また、中国は鉄の原料である鉄鉱石をオーストラリアから輸入していました。しかし、中国・オーストラリア間に貿易摩擦が生じ、オーストラリアから輸入される鉄鉱石の量が減少しました。この貿易摩擦も鋼材の価格高騰に拍車をかけています。

たしかに、中国にも鉱山はあります。しかし、奥深い場所に鉄鉱石が埋まっているため、品質が良くない上に掘り起こすための余分なコストがかかります。よって、中国はオーストラリアから鉄鉱石を輸入せざるを得ないのが現状です。

木材の価格高騰

アメリカの住宅需要の増加に伴う木材不足が原因です。

コロナウィルスの感染拡大によるテレワークの普及と、景気悪化に対する政府の救済措置として住宅ローンの金利を引き下げたことにより、住宅の建設が増加しました。

また、世界的なロックダウンにより運輸業の労働者減少に伴うコンテナの停滞や運賃高騰によるコンテナ不足も原因です。

たしかに、日本でも木材を生産できます。しかし、これまで稼働していなかった工場やその労働者をすぐに稼働させることはできません。木材の乾燥窯など施設の準備や、労働者の確保に長い期間が必要です。

【不動産投資にどう影響?】建築資材の価格高騰

建築資材の価格高騰はさまざまな分野に影響を与えていますが、不動産投資も例外ではありません。

ここでは、建築資材の価格高騰が不動産投資にどう影響したか解説します。

  • 物件完成の遅延
  • 物件の価格高騰
  • 修繕費の高騰

物件完成の遅延

工事がなかなか進まず、物件の完成に大幅な遅れが生じています。

建築資材の需要が供給を上回り、調達に時間がかかっているからです。

既に物件を購入した投資家は、完成後に家賃収入を得ながらローンを返済することが通常の運用方法です。しかし、物件が未完成な状態ではローンの返済だけが始まってしまいます特に自己資金が十分にない投資家にとっては経済的に厳しい状況です。

また、物件の完成が遅れる分、不動産市場に出回る物件数は少なくなります。これから物件を購入する人は条件の良い収益物件を見つけることが難しくなります

物件の価格高騰

物件の価格が高騰しており、融資の金額も同時に大きくなるため、銀行による融資の審査が通りにくくなっています。

建築資材の価格が高騰すると、工事費用が増加し物件の価格も高騰するからです。

フルローンではなく、ある程度の自己資金がなければ不動産投資を始めることが難しくなります。また、物件価格が高騰しても家賃は変わらないため、家賃収入も変わらず利回りは低くなります。

表面利回りと実質利回りは以下のような式になります。

表面利回り=年間家賃収入÷物件購入価格
実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)

修繕費の高騰

不動産投資家の負担する修繕費が高くなっています。

外壁のタイルや塗装、内装のフローリングや壁クロスなど、修繕作業にも建築資材が使用されるからです。

修繕費はこれまでより1~2割ほど高くなっています。中には無理に費用を削減することにより、十分な修繕がされていない物件も散見されます。

建築資材価格の現状は高止まり

一部の建築資材はわずかな値下がりがあるものの、主な鋼材や木材は上昇、もしくは高止まりの傾向にあります。

以下のグラフは鋼材と木材の価格の推移を示しています。

引用:経済産業省|どうなったウッドショック;価格の高止まりが需要を抑制?

引用:経済産業省|どうなったウッドショック;価格の高止まりが需要を抑制?

当分の間はこの傾向が続き、価格が下がることはないであろうとの見方が強いようです。今後どのように推移するかはもちろん誰もわかりませんが、価格が下がると予想する人、上がると予想する人もいます。

まず、建築資材の価格が下がる理由として、金利の上昇があります。2022年12月20日、日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合で事実上の金利の上昇を表明しました。この表明をきっかけに金利が上昇し円の価値が上がることで、鋼材や木材など輸入品の価格が下がることが予想されています。

価格が上がる理由としては、今後も世界情勢は悪化する一方であり、良くなることはないであろうという考えがあります。その場合、自分の購入物件の価格が上昇する期待ができます。また、価格が上がると予想している人は今から物件を購入して、物件の価格上昇による売却益を狙うという戦略もあるでしょう。

【不動産投資における3つの対策】

ここでは、不動産投資における3つの対策について解説します。

  1. テナント・リテンション
  2. 大手ハウスメーカーの選定
  3. インフレに伴う家賃の値上げ

1. テナント・リテンション

入居者に解約されず長期にわたり入居してもらうための対策をテナント・リテンション(入居者保持)といいます。

テナント・リテンションにより、退去に伴う原状回復工事の頻度を少なくして費用を削減できます。

テナント・リテンションの具体的な例として、ウォシュレットやエアコンを交換する、家賃を下げる、契約更新や長期入居のお礼としてサービスを提供する、トラブル時に迅速な対応をするなどがあるでしょう。

短期的に考えると多少の出費がありますが、全体的な収支で考えると原状回復費用が削減されることで、より大きな支出を抑えられます。

実際に、賃貸契約更新のタイミングで退去を考えていた居住者に対して、家賃を値下げする提案をした結果、継続して長く入居してくれた例もあります。

2. 大手ハウスメーカーの選定

アパートなど土地から建てる物件をこれから購入する人は、工事費用を抑えるために大手ハウスメーカーを選定する方法もあります。

大手ハウスメーカーは建築資材を一度に安く大量購入できる購買力があるため、工事費用も安くなり物件購入価格を抑えられるからです。

また、高度な施工技術により一定の品質を保った物件が完成し、アフターメンテナンス体制も充実しています。よって、物件完成後の不具合発生とそれに伴う修繕費も抑制できます。

複数の大手ハウスメーカーから見積もりを取り、工事費用を比較して選定しましょう。

3. インフレに伴う家賃の値上げ

インフレ時であれば、家賃を上げることも方法の一つです。

一般的に、インフレが起こると物価の上昇とともに家賃も上がります。また、インフレ時は金利が低くなっているため、家賃を上げても入居者の負担はそれほど増えません。

契約更新や新しい入居者が入居するタイミングで値上げするといいでしょう。

【まとめ】今後も価格高騰に備えて対策が必要

建築資材の価格高騰が不動産投資に与える影響について解説しました。

近年、建築資材は高止まりする一方であり、今後もこの傾向は変わらないと考えられています。

不動産投資は大きなお金が動くビジネスなので慎重に決断しましょう。短期的な出来事にとらわれず、長期的な視野を持って取り組むことが大切です。

ここで解説したことを参考にして、不動産投資の戦略を立ててみてください。

  • この記事を書いた人

向井

こんにちは、Webライターの向井です。 このサイトでは主に金融・不動産関連の情報を発信していきます。

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