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【補助金を上手く活用】住宅省エネ2023キャンペーンをわかりやすく解説

住宅省エネ2023キャンペーンとはどんな補助金制度なんだろう。

補助金を使ってお得にリフォームしたい。

補助金申請で失敗したくない。

これから自宅をリフォームする予定の人は、このように考えているのではないでしょうか。省エネ性能の高い住まいづくりを政府が優遇していることもあり、住宅省エネ2023キャンペーンはこれまで以上に充実した補助金制度です。

この記事を読めば、住宅省エネ2023キャンペーンの概要がわかり、補助金を申請するときの注意点がわかります。

一級建築士として住宅の案件に携わった経験がある私が、わかりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みください。

住宅省エネ2023キャンペーンとは

「住宅省エネ2023キャンペーン」は住宅の省エネ化を支援するために創設された、以下の3つの補助事業の総称です。

  • こどもエコすまい支援事業
  • 先進的窓リノベ事業
  • 給湯省エネ事業

2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、省エネ性能の高い住宅を増やすことを目的としています。

3つの補助金制度は該当する工事や管轄する省庁がそれぞれ違い、予算の総額は2,800億円と非常に大きな金額です。

以下の表に3つの補助金制度の大きな違いを整理します。

  こどもエコすまい支援事業 先進的窓リノベ事業 給湯省エネ事業
工事内容 水回り、断熱、窓、給湯機など
(申請しやすい)
窓のリフォーム 高効率給湯機の導入
予算 1,500億円 1,000億円 300億円
運用省庁 国土交通省 経済産業省・環境省 経済産業省

それぞれ解説します。

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業のホームページには、概要が以下のように明記されています。

こどもエコすまい支援事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい
子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、
住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、
子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、
2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。

引用:こどもエコすまい支援事業|こどもエコすまい支援事業 事業概要

簡単に言うと、国民が積極的に省エネ化に取り組めるように、補助金を給付する事業ということです。1,500億円の予算が組まれています。

なお、ここで言われている子育て世帯とは、申請時点において2004年4月2日以降に出生した子がいる世帯のことです。(令和5年3月31日までに工事が始まるものについては、2003年4月2日以降)

また、若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦のいずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯のことです。(令和5年3月31日までに建築着工するものについては、1981年4月2日以降)

該当する工事は主に水回り、断熱、窓、給湯機などがあり、補助金の支給対象が幅広く非常に使い勝手が良い補助金制度になっています。

工事の種類は主に必須工事と任意工事に分類されます。必須工事に分類される工事をすると任意工事も補助金対象にできますが、必須工事をせずに任意工事のみでは補助金対象にできません

必須工事には以下の工事があります。

  • 開口部(窓、ドア)の断熱改修
  • 外壁、屋根・天井又は床の断熱補修
  • エコ住宅設備の設置

任意工事には以下の工事があります。

  • 子育て対応改修
  • 防災性向上改修(防犯性や災害に強い窓、ドアなど)
  • バリアフリー向上改修(手摺設置、床段差を平らにする工事など)
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • リフォーム瑕疵保険等への加入

先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業のホームページには、概要が以下のように明記されています。

先進的窓リノベ事業は、既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、
エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)や、
2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)への貢献、
2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的とする事業です。

引用:先進的窓リノベ事業|先進的窓リノベ事業 事業概要

簡単に言うと、国民が断熱性能の高い窓を選び冷暖房の使用を減らすよう、補助金を給付する事業ということです。1,000億円の予算が組まれています。

主に該当する工事は以下のとおりです。

  • ガラス交換
  • 内窓設置
  • 外窓交換(カバー工法)
  • 外窓交換(はつり工法)

給湯省エネ事業

給湯省エネ事業のホームページには、概要が以下のように明記されています。

給湯省エネ事業は、
家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、
高効率給湯器の導入支援を行い、
その普及拡大により、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に
寄与することを目的とする事業です。

引用:給湯省エネ事業|給湯省エネ事業 事業概要

簡単に言うと、通常の給湯機よりもエネルギー効率の良い高効率給湯器を国民が使用するよう、補助金を給付する事業ということです。300億円の予算が組まれています。

主に該当する工事は以下のとおりです。

  • 家庭用燃料電池(エネファーム)
  • 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)
  • ヒートポンプ給湯機(エコキュート)

住宅省エネ2023キャンペーンとこれまでの補助金制度の違い

今回の住宅省エネ2023キャンペーンは、これまで以上に政府が優遇する手厚い制度と言われています。

ここでは、これまでの補助金制度との違いを解説します。

  • リフォーム申請の併用が可能
  • 補助金額アップ

リフォーム申請の併用が可能

複数の補助金を併用して申請できるようになりました。

これまでの補助金制度では制度ごとに管轄する省庁が異なっており、複数の補助金を併用して申請ができませんでした。

しかし、住宅省エネキャンペーンでは3つの省庁が連携することにより、一つの窓口(ワンストップ)で複数の補助金の申請に対応できるようになりました。

補助金額アップ

これまでの補助金制度と比べて金額が大きくなりました。

こどもエコすまい住宅支援事業と同様の制度でこどもみらい住宅支援事業という補助金制度が2022年に実施されており、予算は1,142億円でした。しかし、こどもエコすまい住宅支援事業では1,500億円まで増額しました。

【3つの注意点】住宅省エネ2023キャンペーンの申請で失敗しないために

住宅省エネ2023キャンペーンの申請における注意点を押さえて、補助金の受給を逃さないようにしましょう。

ここでは、申請に失敗しないための3つの注意点を解説します。

  1. 予算上限に達すると期限終了
  2. リフォーム業者の選定
  3. 重複申請

1. 予算上限に達すると期限終了

3つの補助事業の交付申請期間は2023年3月下旬から開始され、それぞれ予算の上限に達した時点で締め切りになります。申請が少なく予算の上限に達しない場合は2023年12月31日まで受け付けの予定ですが、その前に上限に達することが予想されます。

実際に、昨年のこどもみらい住宅支援事業は2022年3月28日に開始され、2022年11月28日に締め切られました。各補助事業のホームページで最新情報をチェックするとともに、早目に申請の予定を立てておきましょう

また、補助金制度のほとんどは工事完了後に申請します。よって、工事にかかる日数を逆算して工事開始日や申請日を計画しましょう。

2. リフォーム業者の選定

住宅省エネ支援事業者

各補助事業により登録されたリフォーム業者を住宅省エネ支援事業者といい、その業者に依頼してリフォームする必要があります。登録されていないリフォーム業者がリフォームしても、補助金の対象とはならず申請できません。

補助金の申請も住宅省エネ支援事業者が手続きする必要があり、リフォームを依頼するあなた自身で手続きすることはできません。

ホームページにより住宅省エネ支援事業者を検索できるので、あなたが依頼するリフォーム業者をチェックしておきましょう。

補助金を活用するためにリフォーム業者の協力は欠かせませんまた、補助金制度の手続きに慣れたリフォーム業者であれば、制度の概要や必要な書類などを把握しているので手続きをスムーズに進められます。

悪質なリフォーム業者に注意

住宅省エネ支援事業者に選ばれていたとしても、そのリフォーム業者が優良な業者であるとは限りません。これは住宅省エネ2023キャンペーンのホームページに記載があります。

リフォーム業者が優良であるかどうかは、あなた自身が判断しなければいけません。

引用:住宅省エネ2023キャンペーン|補助金利用を相談できる事業者の検索

悪質なリフォーム業者に依頼すると、不当に高額な請求をされる恐れがあります。

対策として、見積もりを最低3社から取り、リフォーム業者の対応や見積もり金額を比較しましょう相見積もりすることにより、対応が悪い、もしくは見積もり金額が他社と比較して非常に高いなど、悪質なリフォーム業者を見分けられます。

また、補助金の申請では施工費用が適正な範囲であるかどうかも審査にかけられます。審査に通るためにも相見積もりは必要です。

3. 重複申請

この補助金制度では3つの補助事業を同時に申請できますが、1つの工事に対して2つの補助事業を重複して申請はできません。

例えば、窓のリフォームはこどもエコすまい支援事業と先進的窓リノベ事業の両方に該当しますが、申請は片方しかできません。この場合は補助金が大きい事業の方を選びましょうこどもエコすまい支援事業より先進的窓リノベ事業の方が大きい傾向にあります。

同様にエコキュートの例をあげると、こどもエコすまい支援事業と給湯省エネ事業が該当しますが片方しか申請できず、給湯省エネ事業の方が補助金は大きい傾向にあります。

どちらの補助事業がお得かチェックして申請しましょう。

【まとめ】住宅省エネ2023キャンペーンを上手く活用しましょう

住宅省エネ2023キャンペーンついて解説しました。

これまで以上に充実したこの補助金制度を上手く活用してリフォームしましょう。そのためには、制度の内容をよく理解するとともに、優良なリフォーム業者を見つけることが重要です。

ここで解説したことを参考にして、リフォームを計画してみてください。

  • この記事を書いた人

向井

こんにちは、Webライターの向井です。 このサイトでは主に金融・不動産関連の情報を発信していきます。

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